画家の暮らした建物

展覧会のあゆみ

区民ギャラリーと20年
 


●画家の暮らした建物

成城の地に木造の清川邸が建てられたのは、1949年のことでした。その後、1961年には清川の趣向が随所に反映されたコンクリート造りの建物に建て替えられ、2000年に亡くなるまでの40年近く、清川はこの場所を活動の拠点としました。


―展示室


高い天井と窓が特徴的な展示室は、かつては清川のアトリエでした。床の絵具跡は当時のままとなっています。また、現在展示用に整備されている白い壁は、以前はコンクリートのブロックがむき出しの状態の壁面でした。清川は「コンクリートの打放しやブロックの肌 色 線 すべて私は大好きです」と述べています。




撮影:清川泰次



―区民ギャラリー

区民ギャラリーは、かつて居間としてつかわれていました。美術館として開館する際、区民の方の作品発表の場としても活用できる文化施設にするという方針から、週単位で貸し出すギャラリースペースとなりました。

           

撮影:清川泰次

 

―庭

芝生の豊かな庭には、機能的な野外スペースとなるよう清川が配置を考え、30cm角のコンクリート板が並べられていました。

 

撮影:清川泰次

 

開催中の「開館20周年記念 清川泰次のすべて」展では、かつての建物の様子をご紹介したリーフレットを製作しました。旧清川邸を取り上げた1961年頃の雑誌記事や、清川が整理していたアルバムの写真を掲載しています。2019年に刊行した小冊子『生誕100年 清川泰次―人と作品』と併せて、ご来館いただいた方に配布しています。


ー沿革

1949              世田谷区成城に木造のアトリエ兼住居を建設。

1961              建物を現在のコンクリート造りに建て替え(設計:二葉建築士事務所)。

1983              アトリエ部分の拡大工事をおこなう(現在、拡大部分は撤去)。

20008         清川泰次逝去。その遺志に基づき、ご遺族より世田谷区へ寄贈要望書提出。

20009         世田谷美術館が作品の調査を開始。

20014         作品調査終了。作品、建物、土地および開設準備金が世田谷区へ寄贈される。

200311       世田谷美術館分館として一般公開開始。



 

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